Computer Love

仕事の休憩時間、私は来ているそこのトイレを借りに行った。
ホールのあるフロアのトイレには先客が居そうだったので、階段で下のフロアに降りそちらのトイレに入った。

入ってみると、二つある個室のうちの一つは使用中で、もう一つはそうではなく扉が開いていた。
ただ、その開いている個室に有るのは和式便器。

今日日、和式便器は人気が無い。選べるなら洋式、私もそうだ。しかし、時間も無いので和式の方に入った。
ズボンとパンツをすっかり脱いでフックに掛ける。以前、中途半端にズボンを脱いで膝の所に縮みこませ、ケツだけ出してしていた時間違ってズボンに小便をかけて以来、そのようにしている。
しかしあのドアに据え付けられたフックと言うのは心配な所だ。掛けて有るものを不届者に、外から手を伸ばされて盗まれてしまうのではないかと思う。盗んだ方もそれがパンツだったら驚くと思うけど。


久しぶりの和式便器だったけれど、やはり好きになれない。何が嫌って、いましたばかりの自分のうんこにまざまざと対面させられるのが嫌だ。

私は便器のうんこをじっと見た。見ながらでも、考えた。

なぜ、先ほどまで自分の体内に有ったもの、自分の一部とさえ言えるかもしれないこれを、一端自分の体から出たからと言ってここまで嫌悪するのだろうか?
いい思いを味わって、さんざん利用したその挙句、用が済んだらはいさようなら、見たくもないね水に流そうザーッ、てひどい話でないか。

そう考えると同じ和式でも、相手とはちょっと離れはしたけれどまだそこに有り続ける汲み取り式の方がまだ情が有るのかもしれない。